ブログの著作権ならわかるけど商標権って?ブログに関係あるの?
ブロガーにはあまり関係ない?商標権について解説します。
商標権とは?
商標権とはものすごく簡単にいえば
商標(キーワードやロゴ)を特許庁に登録した者が、登録区分(産業ジャンル)において排他的に特定の商品やサービスを独占できる権利です。
詳しくはこちら→特許庁ウェブサイト
分かりづらいと思いますが、要は消費者が本来買おうとしていた製品と”勘違い”して類似品を買ってしまうことを防止するための法律です。
例をだしますね。
※この例えは私の完全な作り話であり、実際の企業様には一切関係のない話ですのでご了承ください。
例えば白い液体の入ったボトルが「カル・ピス」というラベルがつけられて売っていたとして、それをある消費者が「カルピスだ」と誤解して買ってしまったとします。
中身が普通の牛乳だとしてもです。
消費者は後から飲んでカルピスじゃないことを知り、当然「騙された!」と訴えますよね。
しかし販売元は「そもそも「カル・ピス」であって「カルピス」ではない。それに見れば牛乳だとわかるだろう。騙していない。」と反論します。
この場合販売元は、他社製品をパクった訳ではありませんが、トラブルの原因は確実にこの「製品名」にあります。
さらに、こういった勘違いをした消費者が多かった場合、カルピスの販売元が本来得られるはずだった収益が類似品を販売した企業に流れ、結果売り上げの減少として損害を被ることになります。
これはあくまで私が作った例え話で企業様とは一切関係のない話ですが、要はこういったトラブルを避けるのが商標権の本来の目的です。
ブロガーに関係あるの?
さて、この商標権の何が問題になるかというと、登録されている商標をタイトルやアイキャッチ、本文に使用しそれで収入があった場合です。
ブログではありませんが、 YouTuber の Minimalist Takeru さんが商標権を侵害したとされ、動画を450本消すというトラブルに合われた事を語っていらっしゃいます。
450本ですよ。
450本・・・。もう絶望ですよね。
彼は「断捨離」というキーワードを不正利用したとされ通告がきたそうです。
「 え?あの断捨離? 」と思った方も少なくないでしょう。わたしも思いました。
ここで問題になるのが”何故多くの人が使っている単語で彼だけが訴えられたのか?”
ということですが、ざっくりと答えるなら”彼が「断捨離」というキーワードを使用が禁止されている使い方で使ってしまったから”となります。
※実際には通告がきたのは他にも数名いたようです。その方々もブログ記事や動画を削除しています。
商標権はそもそも商標(キーワードやロゴ)と製品(登録区分)がセットで成り立ちます。
特定のキーワードやロゴを勝手に「このキーワードは私のものだから他の人は全面的に使用禁止!」
とはできないのです。
- 『自分だけが使いたいキーワードやロゴ』を『他人に使ってほしくない使用方法』とセットで登録申請。
- 審査を通過。
- 登録料の支払い。
という過程を経て、はじめて「この(登録してある)区分ではこのキーワードやロゴは使わないでね」となるのです。
ではここで問題になった「断捨離」は一体どんな区分で申請してあったのか?
商標権の詳細はJ-PlatPatというサイトで調べることができます。
工業所有権情報・研修館サイト J-PlatPat
※リンクを貼る許可は得ています。
- トップページの簡易検索の空欄に調べたいキーワードを入力
- 検索ボタンを押し、出てきた結果一覧の『商標』タブをクリック
- 調べたい欄の一番右側『公報表示』をクリック
すると、具体的に何がダメなのか調べられますよ。
これで調べるとわかるのですが、断捨離の登録区分…かなり広いんです。牛乳殺菌機とかもダメですからね。
お仕事の関係もあるのかもしれません。
区分の種類もいろいろあるんですが、彼の場合は『断捨離』というキーワードを動画タイトルやサムネに使い、断捨離を取り入れた生き方を発信、つまり『知識の教授』をしたとされ通告されたようです。
では具体的にどんな行動をしたら「知識を教授」したとされるのか?
この辺は動画内でも、編み物YouTuberの強い味方である加藤弁護士が解説してくださっていますが、なかなか線引きの難しい話になるようです。
ただ商標権は著作権のように自動で与えられる権利ではなく、きちんと公的な手続きを得て登録しているものですから、法的な”独占力”が強いです。
先方が「侵害だ」と判断すればこちらとしては侵害しているつもりがなくても先方の要求をのむ形になりやすいでしょう。
商標権侵害をしないためには?
それではどうすれば商標権を侵害しないですむのか?
これについては、「侵害された」とする判断が各権利者によるところが大きいため、一概にこうすればいいと答えることはできません。
一つ一つ商標権の確認をするのが一番安全と言えるでしょうが現実問題難しいので、ブログタイトルや店名など、自分の「看板」となるもののキーワードだけは調べておくのがおすすめです。
調べ方は先ほどのJ-PlatPatの他に「ブランドテラス」という、無料で利用できる商標情報データベースのWebサービスがあります。
ブランドテラスでは類似するネーミングも調べられたり、ネーミングに関する商標をどのような企業が保有しているか簡単に確認することができるので、こちらも併せて活用するのがおすすめです。
とはいえ、あまり過敏になりすぎると身動きがとれなくなってしまいます。
もし侵害してしまった時は故意でなかったのなら、彼のように謝罪しすぐに身をひく(今回は削除請求に従い指定された動画を削除した)のが得策かもしれません。
商標権を登録するのに先方は時間と労力・金銭的な負担を負っている訳ですから、そこを無下にすることは避けましょう。
ただ動画内でも触れておられますが、本当にこちらが権利を侵害しているのか?
確認はした方がいいように思います。
その確認のためにも、いきなり「削除」はせず「非公開」状態にして弁護士の方に相談する方がいいでしょう。
自分のブログも守ろう
ここまでは「こちらが侵害してしまった場合」について書いてきましたが、ブログ運営をしている以上「こちらが権利侵害」されるパターンも考えなくてはいけません。
ブロガーでよくあるトラブルは「記事の丸パクり」などの主に著作権の問題ですが、ブログ名やECサイト名が他者とかぶってしまってトラブルになるパターンもあります。
ブログ名もECサイト名も、ユーザーに自分を知ってもらうための「大切な目印」ですからコロコロと名前を変えるのはあまり望ましくありません。
今のブログ名に思い入れがあったり、これから色々と事業展開していきたいと考えているのなら誰かに申請される前に登録手続きをした方がよいでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
もし権利の侵害をしてしまった場合、誠心誠意、迅速に対応することが一番大切なことです。
その為にもブログには『お問い合わせ』ページなど、あなたに連絡をとれる環境を必ず用意しておきましょう。
あなたへの窓口が何もなければ権利者はあなたへ連絡を取ることができず、プロバイダへ情報開示請求をするなどと、事が大きくなりやすくなってしまいます。
他者へ迷惑をかけないためにも自分を守るためにも、連絡する手段は必ず用意しておきましょう。
https://chiisana-sakura.com/contactform-plugin/最後までお読みいただきありがとうございました。
したらね~!
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